オールSSD構成な高速NAS、TerraMaster「F4 SSD」を導入したけど初心者には少々扱いが難しかったの巻

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今回はTerraMasterより提供していただいた「F4 SSD」という製品をレビューしていく。

といいたいところだけど、正直今回このデバイスは今の翁にはオーバースペックというか予算の都合というか性能をしっかり活かしきれる環境を構築することができなかった。

本当はすんごい性能を持った素晴らしいNASなんですよF4 SSD。

少なくとも先日レビューしたUGREENのNAS「DH4300 Plus」より勝っている部分もあるにはある(本来なら全面的に勝るかも)から、そこんところを伝えていきたい。

  • PCやスマホの画像・動画データが容量を圧迫してきていて困っている
  • 普段、動画編集や写真編集をよく行う
  • スマホやPCのデータをローカル環境下に保存しておきたい
  • なおかつそのデータは高速で出し入れしたい

F4 SSDはそんな人におすすめなデバイスとなっている。

まさに翁のように、「YouTube動画を稀に編集するし、ブログ用の写真、家族との思い出の写真をガンガン撮影する」っていうユーザーに最適だ。

相変わらずまだNASに関してはほとんど無知に近い人間なのでこの記事ではあくまでもNAS初心者目線でTerraMaster F4 SSDを実際に使ってみた感想について述べていきたい。

この記事の著者

ネオジャパンデスクセットアッパー

翁(おきな)

オッキーナ

プロフィール

ガジェットが好きな36歳/ ブロガー歴7年/ レビュー数330品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数5,100人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ

製品提供:TerraMaster

F4 SSDのポイントだけ先取り

  • NVMe SSD専用4ベイ
  • Intel N95(4コア/4スレッド)CPU採用
  • メモリ8GB DDR5-4800MHz
  • 5GbE(5ギガビットイーサネット)対応
  • 動作音公称19dBと超静音設計

F4 SSDはいわゆるNASに属するデバイスなんだけど、定番のHDDを媒体としたNASではなくM.2 NVMe SSDを媒体とする高速ストレージとなっているのがこのデバイスの特徴。

静かで高速データ転送に長けたM.2 NVMe SSDを媒体とすることで、駆動音が静かでHDDタイプのNASよりも高速でデータのやりとりが行えるようになるのが最大のメリットになる。

UGREENのHD4300 Plusも静音というか駆動音はほぼ気にならない程度のモデルだったんだけど、F4 SSDは物理的にディスクが回転するHDDを使っていない分本当に静音。

インターフェースは以下のとおり。

  • USB Type-C 10Gbps
  • USB 3.2 Gen2 Type-A 10Gbps
  • 5GbELANポート
  • HDMI
  • DC電源

各USBポートは外付けHDDやSSDと直挿ししてデータの読み書きが行える。

バックアップのバックアップを取りたいなんてときに便利だ。

HDMI端子は直接TVやディスプレイに繋ぐことで保存した動画や画像データを出力することも可能。

最大のポイントとなるのが5GbEのLANポートだ。

F4 SSDは最大5GbEまで対応していることで、一般的なNASよりも高速データ転送を可能とする。

一般家庭であればインターネットは1Gだろうから、Wi-Fi経由でのデータ読み書きの速度には限界があると思う。F4 SSDの性能を最大限に活かすには「PC側のLANポート」「Wi-Fi契約内容」「Wi-Fiルーターの性能」この3つには注意しておこう。

手乗りサイズで高速ストレージ!?「F4 SSD」

F4 SSDは予想以上に小さい。実際手にするとNASとしては驚くほど小さい。

HDDタイプのNASと比較してみても半分以下ほどの小ささ。

冷却ファンも本体底面から吸って丈夫から排気する構造なので横にピッタリモノがあってもあまり影響がないのも利点。

このサイズなら置き場所にも困らない

この小ささでCPUはIntelのN95(4コア)を搭載していて、地頭はわりと高い。

家族で一斉にF4 SSDにアクセスしたとしても快適に操作することができるだけのCPUを積んでいる。

そんなF4 SSDにはM.2 NVMe SSDが4個搭載可能。

1スロット最大8TBまで対応しているから4個積めば理論上最大32TBのオールフラッシュストレージにすることができる。

SSDの装着・組み立ては至ってシンプルかつ簡単。工具も不要だから誰でもできる。

  1. 本体背面のネジを外す
  2. 筒状の外殻から本体を抜き出し
  3. 止めねじを外してSSDを装着
  4. ねじ止めしてSSDを固定
  5. カバーに戻す

今回はF4 SSDレビュー用にSamsungの980 PCIe Gen 3.0 ×4を2TB分用意した。

必ず事前にF4 SSDに対応しているSSDを確認しておこう→

また、SSDに装着するヒートシンクもF4 SSDには付属していないからこちらも別途手配しておこう。万が一熱暴走を起こしてデータが飛んだら大ごとだ。

今回SSDといっしょに900円2枚入りのヒートシンクを購入した。

動画も画像も体感レベルで転送速度が速い

使用環境

ルーター:ASUS RT-AX59U

スイッチングハブ:Planex 2.5GBASE-T

ストレージプール:RAID 0

ボリューム:BTRFS

ぶっちゃけ、今回のレビュー環境ではスイッチングハブとPC側のLANポートが2.5GbEにまでしか対応していなかったこともあってF4 SSDの5GbEを活かしきれなかった。

ほんとうなら有名YouTuberみたいに「このレビューのために10GbE環境を構築しましたぁぁぁぁぁぁあ」とするのがベストだったんだろうけど予算の都合だ。悔やしいです!

ただ、2.5GbE環境であってもF4 SSDの高速さはある程度実感できた。

  • 写真や動画のフォルダを開くと一瞬でサムネイルが表示される
  • 大容量動画もサクサク開いて再生される
  • 大量ファイルのコピー/移動が止まらずスムーズに転送できる

このあたりはSSDを使っているだけに反応が速い。HDD仕様のNAS、UGREEN DH4300 Plusとは基本的なサクサク具合がやっぱりちょっと違うなと。

Crystaldiskmarkによる数値は以下のとおり。

同じスイッチングハブに接続していたとしてもHDDタイプのDH4300 PlusよりもF4 SSDのほうが圧倒的に高い数値を出していることがわかる。

11GB分の動画ファイルを転送するのにかかった時間はおよそ5分。

2.5GbE環境だとしても4K動画を編集するためであればギリギリ行けるといったところ。

また、TNASモバイルアプリも使い勝手はよかった。

自動バックアップ機能をオンにしておくとデバイスに保存された写真や動画、スクショなどをすぐさま自動アップロードしてくれる。

最初こそ大量なデータになるためバックアップに時間がかかったけど、次回以降は新たにスマホ内にデータが保存されるたびに自動でバックアップされるので手間いらずだ。

ちなみに、iPhoneのTNASアプリでログインする際はiPhoneの設定→アプリ→TNAS内にある“ローカルネットワーク”をオンにしておくことを忘れないようにしよう。ここがオフになっているとF4 SSDと接続ができないので注意。

HDDタイプのNASと組み合わせて最強保管庫化してみた

アイデアが閃いた翁はHDDタイプのNASであるUGREENのDH4300 Plusと高速データ転送が行えるF4 SSDを組み合わせて役割分担ってかたちで運用できる環境を構築してみた。

  • UGREEN DH4300 Plus→写真・動画のバックアップ用保管庫
  • TerraMaster F4 SSD→動画編集素材のみを置くための高速ストレージ

データ転送に速度を求めない家族との思い出や、YouTube動画の完成品、スマホ内のファイルやちょっとした画像などの長期保存はDH4300 Plusに。

一方でデータ転送に速度が重要な容量が大きい動画編集用の4K動画素材や高解像画像などのデータをF4 SSDに保存してメディアサーバーとして活用する。

これならダビンチリゾルブからF4 SSD内データを読み込んで編集を行うにもF4 SSDの転送速度を活かせるし、無駄にF4 SSDのストレージを圧迫せずに済む。

ただ、実際にダビンチリゾルブにF4 SSDからデータをアップロードして動画編集をしてみたところ、PC内ストレージからデータをアップロードして編集したときに比べてプレビュー画面がややもたつく感じがあった。

調べたところ要因はひとつではないけど、ここでも2.5GbE帯域が頭打ちになっている可能性が高そうだ。やっぱり悔しいです!

気になるところ

  • 容量単価が高い
  • UIはシンプルだけど初心者向けではない

M.2 NVMe SSDはそもそもSSD自体1TBあたりの単価がHDDよりも高いのが難点で、大容量保管庫にできるだけの容量にするにはけっこうな費用がかかる。

実際、今回のレビューに際して購入したSamsungの980は1TBで15,636円×2枚。これを仮に4枚揃えようと思ったら60,000円かかる。同じ4TBをHDDで揃えようと思ったら20,000円程度で済む。

「速度は遅くても単なるデータバックアップでいい」っていうニーズであれば圧倒的にHDDタイプのNASのほうがお財布にはやさしい。

あくまでもF4 SSDはM.2 NVMe SSDを活用したNASである必要があるユーザー向けなんだ。

UGREENのNASアプリでは、各機能に対してわかりやすい解説が記載されていたため僕でもとっつきやすかった。

そのいっぽうでTNAS内部の使い勝手は悪くないんだけど、各項目や専門用語の部分に対してどういった機能なのかの解説がないのがちょっと玄人向けだなといった印象。

このあたりにもう少し注力してくれれば、TerraMasterの需要はもっと高まるんじゃないかと思う(もちろんライトユーザーをターゲットとするならの話ではるんだけど)

いろんな意味でシンプル。使いこなせば頼りになるストレージ

今回ざんねんながら僕の環境ではスイッチングハブがボトルネックとなってデータ転送に2.5GbEまでしか活かすことができなかったし、NVMe SSDのみに対応したNASということで現時点僕の予算的にはメインのストレージにするには非力だけど、それでもデータのやりとりは圧倒的に快適にはなった。

稼働してるかしてないか不安になるくらいに静音で、なおかつ5GbEに対応したF4 SSDは、ライトなYouTuberや趣味レベルの動画編集者などであれば十分実用的な高速ストレージと言える。

アプリ内の使用感としてはシンプルすぎて無知な人にとってはやや不愛想な印象だけど、機能面はしっかりしているので使いこなすことができれば頼りになるだろう。

引き続き使用して1年後くらいにはできるだけ大容量にしてしっかりと活用していきたい。

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