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‟一音で、世界が変わる”
MUSE HiFiから新たに登場したポータブルDAC「M6 Double」が音の良さの定義を書き換えた。
ただ音を鳴らすだけのDACじゃない。
ニキシー管が光り、空気が震え、心が揺れる。眼と聴覚の両側面から「心のデトックス」という感覚を身体で納得させてくれる
そんな一台だ。

冗談抜きでやばい。
ただ、違う意味でもやばい。
結論、このDACはやばい。(語彙力消失)

ネオジャパンデスクセットアッパー
翁(おきな)
オッキーナ
ガジェットが好きな36歳/ ブロガー歴7年/ レビュー数330品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数5,100人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ
商品提供:HiFiGo、MuseHiFi
概要

MuseHiFi M6 Doubleは、2本の真空管とニキシーネオン管ディスプレイとフラッグシップDACチップセットを採用した次世代ポータブルDAC/AMP。
有線イヤホンとかヘッドホンとかをスマホやDAPの間に噛ませて音質の向上をはかる機器だ。
- 全世界1,000台限定生産
- ミリタリーグレードJAN6418真空管を搭載
- ESSフラッグシップES9039 DACチップセット採用
- Qualcomm QCC5125最新Bluetoothチップセット採用
- ネオンニシキー管を使用したカスケードディスプレイ
- 3段階ゲイン調整可能
- 3.5mm、4.4mm出力に対応
- 4,500mAh大容量バッテリー内蔵
M6 Double最大の特徴というか差別化された部分としてニキシー管IN17をデュアル搭載しているところについて、MuseHiFiは希少性の高い小型のIN17というチューブにこだわり、ロシアやヨーロッパなど全域で12カ月かけて収集。
最終的に2,200本以上のチューブを手に入れたが、それが残存するさいごのチューブとのことで結果的にM6 Doubleの生産可能台数が1,000台限定となったという超プレミアムな製品だ。
そのほか、ミリタリーグレードのJAN6418ミニ真空管をデュアルで搭載。暖かく滑らかなサウンドを実現。
堅牢なショックアブソーバーに収納されていて、衝撃に強く振動からも真空管を保護。さらにこの構造はマイクロフォニックの問題からも真空管を保護するとしている。
モバイル用DACチップとしては最上位クラスのES9039 DACチップセットを採用しPCM、DSDオーディオをサポート。
QualcommのQCC5125を搭載しているため、LDACやaptX AdaptiveなどのBluetooth接続にも対応している。
パッケージと本体
パッケージ

本機には、USBケーブルとM6 Double、M6 Double専用レザーカバー、説明書的な冊子が付属していた。
また、今回、M6 Doubleのノベルティ的なポジションでニキシーネオンライトをいっしょに贈っていただいた。




よくデスク上にニキシーネオン系のインテリアを設置しているのを見てあこがれを持っていたけど、その夢がひとつ叶った。このノベルティだけでご飯3杯はいける。
本体

こちらがM6 Double。
さながらHDDかと言わせるくらいに大型の筐体で、無骨なシルエットとなっている。




本体重量は約285g。
ポータブルDACとはいうものの持ち歩ける重さとは言いにくい。
が、本体電源をオンにした途端、もうテンションが天井をぶち破ってMoonするくらいにかっこよさが溢れた。
本体上部のデジタルディスプレイに“Okina”のロゴが点灯し、その直後にディスプレイ左に配置されたウィンドウからニキシーネオン管にぬっと明かりが灯る。
男心をくすぐる温かみとノスタルジックさ満点の演出だ。


このニキシー管部分は音量用のみに対応していて、本体右側面にあるダイヤルを回すことで最大99まで上げることができるんだけど、このニキシーネオンの柔らかい動きが超クセになる。ここでまず語彙力を失う。

M6 Doubleのボタンと操作は以下のとおりとなっている。
- ダイヤル:音量を99段階で調節
- 電源ボタン:電源オンオフ、ディスプレイオンオフ
- モード切替ボタン:入力切替、ゲイン、フィルター、音質モード切替、タイマー
- 上ボタン:モード内選択切替、巻き戻し
- 下ボタン:モード内選択切替、次曲
操作はM5 Ultraよりもより簡単になっている。ボタンの数も減った。
基本的にはモード切替ボタンで各モードにセットして上下ボタンで切り替える。
音質

有線接続での音質
有線時はとにかく語彙力を失うほどに上質な音を味わうことができる。一聴目から圧倒的高音質さを実感させてくれる。間違いなく期待以上の音を提供してくれるDACだ。
有線環境は、iPhone17ProにType-C接続した。ハイゲインでストリーミングはqobuz。
一聴目から驚くほどに透明度が高く高解像で鳥肌が収まらないまま1日が経過した。
まずはHalseyの『Without me』を聴いてほしい。もうボーカルの粒立ちのいい透き通った声がグローブなしでダイレクトにストレスで弱ったメンタルをぶっ壊しにかかってくる。
「音って、こんなに良くていいんだ」みたいな意味わからん感想すら放ってしまうほど、笑ってしまうほどに音が生々しい。油断をすればヨダレを垂らしてしまいそうになるくらいに音に夢中になってしまう。

音源に依存するけど、音像の明瞭度も桁違いに高い。
Queenの楽曲はどれも素晴らしいんだけど、『Made In Heaven』は特によかった。
ボーカルを中心に、ベースが真後ろ、エレキが両サイドって感じではっきりと定位がイメージングできる。各音が混じることなくはっきりと区別できるくらいに生々しい。
中音は十分な厚みがあり楽曲全体に奥行を付与している。
息継ぎとかかすかな吐息の音すら忠実にリアルに再現していて、適度なドライさも持っている印象だけど全体的な音色としては暖色寄りだ。
このDACから流れる宇多田ヒカルの声はそれはもう、耳元で本物が歌っているレベルだよ。
臨場感も半端ではない。
どの楽曲でも例外なくベースラインが沈むたびに内耳圧が圧縮されるような感覚に襲われる。ライブ会場の大型スピーカーの近くに立ったことがある人なら分かると思う。
心臓まで響くほどの図太く深い重低音の振動。あれが耳のなかで響く感覚だ。決して膨らまずに、タイトに、力強く深い芯のある低音が全体を支配する印象だ。ただし、それでいてほかの音域を邪魔しないのがすごい。

ジャンルは問わず再現度が高いのもM6 Doubleの魅力だろう。ジャズだろうが、EDMだろうが、歌謡曲だろうが関係なしに高解像に変換してくれるって感じだ。
僕は性格上、いちど聞いたことのある楽曲ばかりをループするタイプで、あまり新しい楽曲をチャレンジしないんだけど、このDACでは全く聞かないジャンルの楽曲、聴きなれないアーティストを選ばず再生したくなる。
そのくらい、どんな楽曲でも心地よく出力してくれるからすごいよ。
これはES9039Q2Mの持つ低ノイズ設計と、MuseHiFiが真空管回路に組み合わせたアナログ出力システムの完成度が高いからこそ実現できるものだろう。
“感動の裏には技術がある”そんなDACだ。
Bluetooth接続での音質
Pixel8ProとLDAC接続で視聴。
有線で聴いたあとだからか、無線での音質は少し劣るのがわかった。
中音の厚みがやや薄くなって空気感もさっぱりとした。
定位も有線時は驚くほど立体的だったのが、平坦になったふうに思えた。
ただ、有線と無線それぞれを聞き分けてやっと感じる程度の差なので正直かすかな違いではある。全体的な音質傾向は変わらず、解像度も顕著に落ちるというかんじはない。
それでも、どうせM6 Doubleの真空管のリアルさと温かさ音場の広さを感じることができるのは有線接続での視聴時。といったところだ。
VTモード・TMモード2つの音質モードを聴き比べ

M6 Doubleに搭載された2モードの音質の特徴は以下のとおり。
- VTモード(真空管):TMモードよりもまろやかでやや残響感と暖かみのあるサウンド。空間表現重視で音場が広く感じるようになる。ライブ音源やボーカル中心の楽曲と相性バツグン
- TMモード(トランジスタ):VTモードよりも輪郭が細く明瞭でメリハリがついていて、キレがよく分析的。低音のアタックが強めになる。ジャンル問わずキレよく楽しめる
個人的にはVTモード一択。TMモードはたぶん聴かない。VTモード一択。
MuseHiFi M5 Ultra、iBasso Nunchakuとの比較

ここで手持ちの真空管搭載DAC「iBasso Nunchaku」「MuseHiFi M5 Ultra」と比較してみる。
| 項目 | MuseHiFi M6 Double | MuseHiFi M5 Ultra | iBasso Nunchaku |
|---|---|---|---|
| 発売時期 | 2025年(限定1000台) | 2024年 | 2024年後半 |
| 参考価格 | 約6万円) | 約3.3万円 | 約5.3万円 |
| DACチップ | ESS ES9039(最新世代) | カスタム ES9038Q2M | Cirrus Logic CS43198(デュアル) |
| アンプ構成 | 真空管 JAN6418 × 2 + トランジスタ切替 | 真空管 JAN6418 × 2 + トランジスタ切替 | 真空管 JAN6418 × 2 + Class ABモード |
| 出力端子 | 3.5 mm + 4.4 mm | 3.5 mm + 4.4 mm | 3.5 mm + 4.4 mm |
| Bluetooth | QCC5125(LDAC/aptX Adaptive) | QCC5125(LDAC/aptX Adaptive) | 非対応 |
| 出力 | 約600 mW @32Ω(推定) | 約550 mW @32Ω(推定) | 約525 mW @32Ω |
| バッテリー容量 | 4,500 mAh | 約3,000 mAh | バスパワー |
| 重量 | 約270 g | 約210 g | 約150 g |
| 音の傾向 | 有機的・中域厚め・温かみ+高解像 | バランス型・明瞭でスッキリ | 明るくシャープ、デジタル感あり |
| 特徴的要素 | デュアル真空管 + ニキシー管表示 | デュアル真空管 + 軽量コンパクト | アナログノブ+軽量金属筐体 |
| 携帯性 | △(据え置き寄り) | ○(持ち運び可能) | ◎(3種のなかでは最も軽い) |
| 操作性 | ○(シンプル) | ○(シンプル) | ◎(直感的) |
| 対象ユーザー | デザイン性・所有欲・音の深み重視 | デザイン性重視 | 携帯性重視 |

音質面でも意外と違いがあった。
M5 UltraとM6 Doubleとだと、圧倒的に解像感の点でM6 Doubleに軍配があがる。
ボーカルのリアリティと空気感においてもM5 Ultraはやや歪みや雑味が目立つ印象。M6 Doubleの透明度まじで半端ないわ。
コンセプトは似たデバイス同士なんだけど全然満足度が違う。もちろん金額も倍ちがうから当然と言えば当然な気もするけど。
いっぽうでiBasso Nunchakuとは接戦で、どちらも低音が深く沈み込み広大な音場の広さを体感できる。
ただ、NunchakuよりもM6 Doubleのほうがより音色がまろやかでニュートラルで透明度が高い。Nunchakuのほうがやや寒色寄りというか分析的で電子的な感じがある。
ボーカルもM6 Doubleのほうがリアルでナチュラルな印象で、よりアナログサウンドっていう感覚をおぼえる。
同じ真空管を採用したDACでもここまで音質傾向が異なるとは思ってなかったから正直驚いた。
もちろん、M6 Doubleがいちばん高価な製品になるだけに音質がよくて当然っていうのが消費者的感覚ではあるんだけど、それを差し置いてもM6 Doubleを所有しておくことの満足度は高いな。

ただ、携帯性についてはiBasso Nunchakuが圧倒的に小型で充電要らずっていう利点があるから、そこんところは何を求めて真空管搭載小型DACを手にするかによって選択肢はM6 DoubleとNunchakuの2択になるかと思う。
気になるポイント

ビジュアルと音質は申し分ない分、M6 Doubleには気にすべきポイントも大きい。
- 持ち運ぶには適さないサイズ
- 真空管には寿命がある
- 快適性よりもビジュアル重視
- ポータブルDACとしては高価

既にお気づきのとおり、M6 Doubleは本体が大きい。M5 Ultraと比較してもひとまわり大きい。
M5 Ultraでさえ僕は持ち歩くには適さないと思うサイズなのでM6 Doubleは到底持ち歩きたいと思えない。
真空管とニキシー管を備えたビジュアルは最高ではあるんだけど、発光のための電力消費が大きめらしくバッテリーの持ちはいいとは言えない。加えて発熱や衝撃のことを考慮すると構造的にも持ち歩きには適さないDACだ。
世界限定1000台という生産台数ってことで、その魅力のバックボーンとなっているIN17ニキシー管の入手性を考えると、
故障リスクを抱えて持ち出すのは現実的ではない。
価格面については、正直デザインとプレミアム感からするとお得だけどポータブルDACで6万円は正直安くはないけど、それでもiBassoのDC-Eliteと同等クラスと思えば手が出ない金額ではない。
ロマンの塊みたいなDAC

ニキシーネオン管による温かみのある数字、QualcommのフラッグシップES9039 DACチップセットと真空管が放つ滑らかで高解像で音場の広いサウンド。ガラスパネルから除く回路、無骨な筐体。
まるでロマンの塊のようなDACだった。
人を選ぶけど、刺さる人にはぶっ刺さるプロダクトだ。ふつうの人は絶対買わない。いや、それでいい。それがふつう。ピンポイントでオーオタをぶっ刺しに来ているデバイス。
全世界1,000台限定、気になる人はAlliExpressかHiFiGo公式をチェックしてみてほしい。
今回AlliExpressで使える10%オフクーポン【MUSEHIFIM6】を発行してもらったぞ。
