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有線イヤホンの沼に入ると、なぜか満たされない承認欲求を埋めるかのごとくまだ見ぬ最高音質を目指してしまう。
その途中に待ち受けるのが、DACの存在だ。
ここに、iBassoのDAC「DC-Elite」がある。
見た目からして既に圧倒的存在感のあるこのDAC、界隈では大絶賛されている人気の製品だ。
いわゆるドングルDACに属するんだけど、これがまじでやばかった。
もう、これで最高音質みえたかな?と満足してしまうほどに、やばい。
とはいえ、販売価格70,000円超えはサッと手が出る値段ではないし、詳しくレビューしていきたい。ぜひ参考にしてみてほしい。
さあ、はじめようか。
ジャパニーズガジェットブロガー
翁
おきな
ガジェットが大好きな34歳/ ブロガー歴5年/ レビュー数180品以上(うちイヤホン80種類)/ サラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ
この記事は、メーカーからの提供品を基に敬意を持って忖度なし正直に実機レビューしていきます。
一時期X(旧Twitter)のトレンドにもあがったDC-Elite、界隈ではけっこうな評判でして、気になるひとは多いのではないだろうか。
具体的にどういった特徴を持ったDACなのかというと以下のとおり
- ROHM社製DACチップ BD34301EKVを搭載
- 自社開発24段4セクションステップアッテネーター採用
- FPGA技術採用
- USBバスパワーでもバランス出力690mW、シングル出力630mWを実現
- 3.5mm、4.4mm対応(3.5mmはSPDIFにも対応)
カジェログのかじー曰く、“40万円超えのハイエンドDACと似た構成をこの小さな筐体に組み込んでることがすごい。変態”
って言ってて、僕はまだそのクラスに達してないので実感湧かないけど、要は筐体の小ささの割にスペックすごいでって話らしく。
僕が触れてきた「DC04Pro」とかとは明らかに別格とみてよさそう。まあ実際お値段的にも格別なんだけどね…。
そんな背景もあって、DC-Eliteはとにかく音がいいと人気ってわけだ。理解。
こちらがDC-Elite本体。
重厚感のあるアナログっぽい筐体デザインが憎らしい。
DC-Eliteー!ってかんじだ。
上部にはデータ転送用Type-C端子。
反対側には3.5mmと4.4mmの2種類の端子を用意してある。
DC03ProやDC04Proと比較してもひとまわり大きく、ターボライターみたいな大きさだ。
重量もDC03Proの約6倍、DC07Proの2倍以上とけっこうずっしりしている。
操作部分は、ダイヤルとボタンがひとつと意外にもシンプルめ。
どちらも音量調節のために用意されていて、ディスプレイは搭載していないので現状の音量を把握するのは難しい。
DC-Eliteの音質は、一聴して最高の2文字。
もう音に関しては評判とおりというか、想像以上に文句のつけどころがないクオリティだ。
ほんとにスマホから出た音か!?と思うほどスマホサウンドが化ける。
とにかくダイナミックレンジが広く、全音域がフラットにしかも超高解像に出力される。
傾向としてはこれまでのiBassoのDAC(DC03Pro、DC04Pro)と同じように寒色系の硬めな質感で、ただDC-Eliteに限っては音量をあげていっても終始100点なままで、デティールが細かいままパワフルさが増すといった印象。
もちろん、接続するイヤホンによってデティールの細かさや低音の迫力具合には多少の差があって、価格の高いイヤホンほど化ける印象だけど、Kiwi Ears Cadenzaやfinal E3000など安価なイヤホンであっても120%のポテンシャルを引き出してきてるように感じる。
なんなら逆にイヤホンそれぞれの特徴を把握するのに役立つレベルだ。
プレーヤー:Pixel8Pro
イヤホン:Kiwi Ears KE4、Kiwi Ears Cadenza、TRI I3 MK3、AFUL Explorer、final E3000、KZ AS10 Pro、EPZ Q1 Pro、THIEAUDIO Ghost(ヘッドホン)
すべての音が粒立ちよく、鼓膜を振動させてるぜーと快感すら感じる。
サウンドステージはけっこう広め、先日レビューした真空管搭載DAC、MUSE HiFiのM5 Ultraほどとはいかないんだけど、原音忠実度とスケール拡張具合ではDC-Eliteのほうが上質に感じる。
実機サンプルを展示したショップが近場にあればぜひ試聴してみてほしい。
DC-Eliteはこれまでの音楽体験を数段あげてくれるはず。
すこし厳しい言い方かもしれないけど、操作性についてはちょっと満足度が低い。
まず、音量調節用のダイヤルだけど、回して音を強弱させる際に音がプツップツッと一瞬途切れる。
せっかくスマホを見らずに音量調節ができるのに一瞬でも楽曲が途切れるのは残念だ。
さらに、その音量も現時点でどのくらい出ているのかが厳密に把握できない。
たとえばDC07Proであればディスプレイを搭載しているから、現状の音量を数値で確認することができるし、ディスプレイのないDC04Proでもスマホアプリでは音量メーターが表示される。
なーのーに、なぜかDC-Eliteはおなじアプリ内でも音量メーターが表示されない。
ダイヤルでの音切れと、現時点の音量を確認できない点はいずれも使い勝手に地味に響く。個人的には残念なポイントだ。
DC-EliteはドングルDACに属するって言ったんだけど、持ち運びやすさは少々(?)クセがあるから、DC-Eliteが気になっているひとはココをよく理解してほしい。
まずこのサイズ感。
でかいし、重たいし、ぶらぶらする。
ココを「ただ、ハイエンドクラス並みの音をこの小ささでイケるならOK」とみるか否かってところ。
僕は取り回しやすさ重視で考えるからDC-Eliteは据え置きDACとして使うかな。
あと、バッテリーの消費もけっこうエグい。
具体的には、スマホバックグラウンドアプリをすべて閉じてても音量70くらいでAmazon Music Unlimitedで音楽を再生したとき3分で1%削られる。
1曲1%くらいの勢いだ。
ふだん使いしながらであればもっと激しいだろうから、それはそれは省電力とは言えない。
対策としては、サブのDAPを用意するかモバイルバッテリーを用意するか、M0Proに繋ぐかだ。
カジェログのかじーが言っていたように、僕もShanlingのM0Proと組み合わせて運用してみたんだけど、持ち歩きでDC-Eliteを楽しむならこれが最適解だと思う。
コンパクトに収まるから取り回ししやすいし、ワイヤレスサウンドであってもそんじょそこらの完全ワイヤレスイヤホンとは格が違う。DC-Elite具合は十二分に味わえる。
なにより(Bluetooth接続の場合)スマホのバッテリー消費量が圧倒的に少なく済む。
ただしM0Proのバッテリーはすぐそこを尽きる。まじで1時間ちょっとしか持たなかったからほんと通勤通学専用受け皿だわw
M0Proについては、以前このブログでもレビューしてるので気になるひとは見てみて。
はっきり言うと、DC-Eliteは超音質特化型のDACだ。強みはすんごい強みだけど、弱みもすんごい弱み。
音質に関してはたぶん誰しも文句なし120点の出来栄えだと思う。このクオリティはまじで神器。
どんなイヤホンでも納得のサウンドに化けさせてくれるし、どんな楽曲でも最高音質で楽しめる。
そのいっぽうでドングルDACとしての使い勝手はギリ妥協できるかできないかってくらい。
総合して僕なら据え置きDACとして活用していくけど、持ち歩いて使いたいってひとはさっきも言ったとおりM0Pro経由でスマホからBluetoothサウンドを楽しむのがベストだろう。
とにもかくにも、まずはお店で実機に触れてみてからじっくりと判断してほしい。
近々DC07Proとの一騎打ち比較レビューもコンテンツ化するので、気になるひとはYouTubeチャンネル登録よろしくお願いします。