この記事では、iBasso Audioより提供していただいたポータブルDAC「DC03PRO」を翁の感性で実機レビューしていく。2022年のベストバイにもランクインしたので、気になるひとはそっちも見てみて。

当ブログの運営者、ガジェット大好き翁(おきな)@okinalogです。よろしくね。
IEMやヘッドホンの実力を最大限に引き出すには、DACの存在は無視できない。
有線オーディオ初心者の僕でもそれだけは知っている。
というのも、最近有線イヤホンを触りはじめた翁だけど、スマホ直挿しだとイマイチ完全ワイヤレスイヤホンと大きな違いを感じられずにいた。
「どうせならDAC経由でオーディオマニアの領域に立ち入りたい」
そんなことを考えていた折、iBasso正規代理店のMUSINから提供していただいたのが11月25日に新発売された「DC03PRO」だ。

充電等不要のバスパワー式で、3.5mmのイヤホンジャックを搭載しているから、
これがあれば、イヤホンジャックがないスマホでも有線イヤホンを接続してすぐにハイレゾ音源をいつでもどこでも楽しむことができる。
ただ、やっぱり気になるのは『スマホ直挿しとDC03PRO(DAC)経由でどのくらい音が違うか』ってことだよね。
わかる。僕もDC03PROを実際に使うまではそう疑問だった。
でもね、今なら言える。
ぜんっっぜんちがうよ。
今持ってるイヤホンがさらに好きになる。いや、イヤホンの真価を発揮させてあげることができるようになるといったほうが最適かもしれない。
ということで、iBassoの「DC03PRO」について、実際につかった感想などをスペックを振り返るとともに紹介していく。
さあ、はじめようか。

今回レビューするのは、MUSINのiBasso Audio(アイバッソオーディオ)から2022年11月25日に新発売の「DC03PRO(ディーシーゼロサンプロ)」
スマホやタブレットなどのデバイスに有線イヤホンを装着することができるいわゆるポータブルアンプ(ポタアン)だ。
- CS43131デュアルDACチップ搭載
- 3.5mmステレオ端子で大概のイヤホンで使える
- ハードウェア音量調整ボタン搭載でスマホを見らずにボリュームコントロール
- KDS社製「フェムト・クロック水晶発振器」搭載でより原音に忠実なサウンドを実現
- 専用アプリ対応で細かな設定変更が可能

DC03PROには、CS43131DACチップがデュアルで搭載されている。
これによって、小さいボディでもバッテリー寿命を縮めることなく原音再現度に優れたサウンドを提供することができる。

また、KDS社の「フェムト・クロック水晶発振器」を搭載することで、スマホからのデジタル信号を雑音の少ないアナログ信号に変換することができるようになっている。

専用アプリでは音量の微調整やデジタルフィルター変更等が可能。
本機は本体にボリュームコントロールボタンが用意されているから、なくてもふつうに使えるけど、よりこだわりたい人はインストールしておこう。

入力端子:USB Type-C
出力端子:3.5mmステレオミニジャック
DACチップ:CS43131×2
THD+N:-114dB(300Ω負荷時)、-111dB(32Ω負荷時)
出力レベル:2Vrms(300Ω負荷時)、1.77Vem(32Ω負荷時)
S/N比:127dB
周波数特性:20Hz~40Hz +/-0.5dB
ノイズフロア:<0.9μVrms
出力インピーダンス:0.12Ω
PCM対応:最高384kHz/32bitまでのネイティブ再生に対応
DSD対応:最高11.2MHzまでのネイティブ再生に対応
重さ:10.5g
サイズ:(ヨコ)49.4×(タテ)21×(奥行)8mm
販売価格:9,900円
参考:MUSIN公式サイト
旧モデル「DC03」との違い
- OGTケーブルの脱着が可能になった
- 本体重量が0.5g軽くなった
- 音量調節が64段階→100段階になった
- 3,000円ほど高くなった
外観デザイン

これが実際のDC03PRO。

写真に比べて実物はかなり小さかったというのが僕の第一印象。
これだけ小さければスマホの下に装着しても邪魔にはならなそうだ。

傷に強い強化ガラスパネルと、特殊な加工が施されたアルミ製のボディが高級感を漂わせている。

端子は3.5mmのステレオ端子ひとつのみ。反対側にはUSB-C端子というシンプルな構成。

OTGケーブルは短めのタイプが付属。好みのものに交換できるカスタマイズ性は魅力のひとつだ。
USB-Aアダプタも付属しているのでPCへの接続も可能だ。

ということで実際にDC03PROをスマホに接続して使用してみた。
- デバイス:Pixel7
- イヤホン:TRIPOWIN Rhombus(AZLA SednaEarfit XELASTEC)、RAPTGO HOOK×HBB(SpinFit W1)
- ストリーミング:Amazon Music PrimeHD
スマホ直挿しでいたことに後悔するレベルに音質が向上
DC03PRO経由だと、スマホ直挿しのときよりも圧倒的に音の情報量が多く増幅されているのが実感できるほど音質が良くなる。
3万円を超えるIEMをスマホ直挿しで聴いてたときは「なんだ、完全ワイヤレスイヤホンとそこまで変わりないんじゃね?w」と思っていたけど、DC03PRO経由でまる1日聴きこんだあとでスマホ直挿しに戻ったらもうクソ!
ぜんっっぜん違う!

もうね、素晴らしいよ。

解像度が雲泥の差。

DC03PRO経由だと低音と高音の強調はいい意味で控えめになって、その代わり今まで意識の外にいた周囲全体のその他の音があらゆる方向からスイスイ脳に流れ込んでくる。
特に中高音のきめ細かくノイズが少なく耳通りのいいさわやかさが心地いい。
曇ったサングラスをキレイに拭き取ったときのような、鮮明で解放的な高揚感を味わえる。
モチベーションに直結するほど、音を楽しむことができる。

EDM系のアップテンポな楽曲やアコースティックメインの楽曲なんかはより良さが際立って感じられると思う。
今、スマホ直挿しでIEMを楽しんでいて、「低音の潰れ具合が気になる」と微塵にでも思ったことがあるってひとは絶対試してみてほしい。
音量コントロール用物理ボタンが便利

DC03PROはハード側面のボリュームコントロールキーでは、音量を0~100までの100段階で調節が可能。
僕のPixel7は22段階までなのに対してDC03PROは100段階。

実際の音量はDC03PROの最大値のほうがスマホの最大音量よりも圧倒的に大くすることができた。
ここで、両者の音量のバランスをどうするかという点に関して個人的に気になったところだけど、以下の記事を参考にして“スマホ側(デジタル信号)をMAX、DC03PRO(アナログ信号)側で好みの音量に調節”というかたちで視聴している。
スマホアプリ「iBasso UAC」が便利

スマホアプリとして用意されている「iBasso UAC」は、入れておくと便利なアプリだった。
具体的には、
- 音量の調節
- デジタルフィルターの選択
- ゲインの調節
などをスムーズに操作することができる。
音量に関しては、DC03Pro本体からも調節可能だけどスマホ側からも100段階でサクッと調節できるのでポチポチ物理ボタンを押すのが面倒なときに便利だ。
また、ゲインも3段階で調節できるからインピーダンスが大きいヘッドホンやイヤホンと接続している際に有効。インピーダンスの低いイヤホンではLowにすれば歪みの少ない音を楽しむことができるから便利だ。
とりあえずでも入れておけば安心のアプリだ。
Android・iPhoneなどiOSデバイスにも対応

本機は、DC03とは変わってケーブルを脱着することができるようになっている。USB-C to Lightningのケーブルに差し替えることでiPhoneでも利用することができるようになっている。
DC03PROは汎用性の高い「UAC2.0」を採用しているから、スマホだけでなくタブレットやPCなど家・外と場所を選ばず楽しむことができる。

ということで、この記事ではiBasso Audioの小型DAC「DC03PRO」について実機レビューしてきた。
CS43131チップ2基とKDS社の「フェムト・クロック水晶発振器」を搭載したポータブルアンプということで、DC03よりも使い勝手がよくなったDAC入門にうってつけなモデルだったと思う。
物理ボタン式だったり、OGTケーブルが付属していたり、買った直後にイヤホンとプレーヤーに繋げばすぐ使えるという手軽さも魅力だ。
はじめてのDACならまずDC03Proを買っておけば間違いないだろう。

しっかりとスマホ直挿しとの違いも実感できるし、これで9,900円なら数万円クラスのDACはどうなんだとがぜん好奇心が湧いてきているのが僕の内心だ。
スマホ直挿しからDAC導入を検討しているひとはぜひDC03PROをつかって、感想を聞かせてほしい。
いっしょに感動しよう。
- 邪魔にならない小型形状
- 決して安っぽくなく物理ボタン採用の使い勝手がいい筐体
- OGTケーブル脱着可能でカスタマイズ性も将来性あり
- 解像度アップでイヤホンの特性を引き出す効果が見込める
- まだ見つけられていない