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デスクセットアッパー
翁(おきな)
オッキーナ
ガジェットが好きな38歳/ ブロガー歴8年/ レビュー数390品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数8,200人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ
今回はKhadas tone2 proについてレビューしていく。
Khadas Tone2 Proは、手のひらサイズの据え置きUSB DAC/ヘッドホンアンプ。PCやスマホと繋いで有線イヤホン・PCスピーカーからサウンドを出力できるデバイスだ。
据え置きDACと言えば、先日TOPPINGのDX1 IIが「小さいのに使い勝手がいい」といった内容のレビューしたけれど、Tone 2 Proの本体サイズはそれよりもさらに小さく、薄い。

ただ一方でTone 2 Proにはディスプレイが搭載されていない。ってことは、使い勝手のほうはどうなんだろうか。
結論、ディスプレイの有無は小型DACには結構重要な要素かもしれないと感じた。
ということで、いってみよう。
商品提供:Khadas Japan
概要



主なスペックは以下のとおり。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 製品名 | Khadas Tone2 Pro |
| 製品分類 | USB DAC/ヘッドホンアンプ |
| DACチップ | ESS ES9038Q2M |
| USBプロセッサー | XMOS XU216 |
| アンプ構成 | OPA1612 ×4、RT6863D ×3 |
| PCM | 最大32bit/768kHz |
| DSD | 最大DSD512(Native) |
| MQA | フルデコード対応 |
| ヘッドホン出力 | 3.5mm/4.4mmバランス |
| 3.5mm出力 | 125mW(32Ω) |
| 4.4mm出力 | 211mW(32Ω) |
| S/N比 | 3.5mm:119dB/4.4mm:121dB |
| デジタル入力 | USB-C/同軸デジタル/I2S |
| ライン出力 | RCA(シングルエンド/独自バランス) |
| Bluetooth | 別売りBT Magicで対応 |
| 電源 | USB-C(5V) |
| 操作 | 回転・押し込み式多機能ノブ |
| 対応OS | Windows/macOS/Linux/Android |
| ファームウェア | 新旧2種類の操作方式を選択可能 |

DACチップはESS Technology製の高性能DACチップ「ES9038Q2M」を採用。高解像度音源の再生に対応し、低歪み・低ノイズを追求したモデル。以前レビューしたMUSEHIFIのM5 Ultraと同じ型だ。

3.5mmと4.4mmのヘッドホン出力に加え、RCAライン出力も搭載。


本体サイズは88mm×62mm。先日レビューしたTOPPINGのDX1 IIでも100mm×100mmなので、さらに小さい。スマートフォンとの接続にも対応しているため、デスクだけでなく好きな場所で手軽にオーディオ環境を整えられるのが魅力だ。


操作|ノブひとつで完結、がクセあり

Tone2 Proは、本体上部のノブひとつで操作するシンプルな設計になっている。ノブの下に内蔵されたLEDリングの色と点灯位置で現在の状態を確認することができる仕様になっている。
ただし、Tone 2 Proには現時点で“新・旧、2種のファームウェア”が存在しており、どちらを選ぶかによって操作感はまったく違ってくる。
今回は旧ファームウエア・新ファームウエア両方の操作感を確認したので、購入後どちらのファームウエアで使うかの参考にしてほしい。
旧ファームウエアでの操作感
今回手元に届いた固体には、デフォルトでは旧ファームウエア(v1.41)が適用されていた。
旧ファームウエアでは、ノブを2回押しでモード切り替えにいれ、ノブ回転で操作していくスタイル。
【音量上げ下げ】から【ゲイン設定】【デジタルフィルターの切替】等、細かく設定を追い込むことができる。

ただし、説明書なしでは操作が非常に複雑で難しく、DACの操作について軽くでも知識が入っていないと、まともに覚えることができないまである。
ノブ自体もボタンのようにポチっと押すものではなく、どちらかというと下に倒す要領に近い。さらには可動域が非常に狭く、フィードバック感も弱めなため指先の感度を上げなければしっかりと2回押しができているかが分かりづらい。

現状を識別するLEDリングの色も説明書をみなければ分からないほどバリエーションが多い。
多機能であることは魅力だが、設定を変更するたびに説明書を確認するのは非常に手間がかかる。
新ファームウエアでの操作感
新ファームウェアでは、旧ファームウエアの複雑さを改善するためノブの操作が音量調整と入力切替に簡略化された。

操作方法は新旧変わらずではあるけど、設定できる範囲が狭くなったぶんモード切り替え状態以降で迷子になることはなくなった。

メーカーによると、ユーザーからの要望を受けて操作体系を見直したもので、従来よりも直感的に扱える設計になっている。
ただし、本体から変更できる設定は限定され、詳細な調整には専用アプリが必要になる。
普段は音量調整だけで十分という人には、新ファームウェアのほうが使いやすい。
新ファームウエアへの更新手順
新ファームウエアへの更新はユーザーが手動で行う必要がある。
旧バージョン(v1.41)から新バージョン(v2.00)への更新手順は以下のとおり。
① 必要なファイルをダウンロード
Khadas公式サイトから3つのファイルを入手する。
※Windows環境の場合。DFUツールはWindows用を選択する。
② ファイルを解凍・準備
ASIOドライバーをインストールし、DFUツールとファームウェアを解凍して同じフォルダに保存する。
③ Tone2 ProをPCに接続
USB-Cケーブルで接続し、KhadasUsbAudioDfu.exeを起動する。
④ ファームウェアを選択
「Browse」からtone2pro-xmos-v2.00-260629.binを選択する。
⑤ 更新・再起動
製品名とファイル名を確認して「Start」をクリック。更新完了後に「Exit」で終了し、Tone2 Proを再起動する。
最後にファームウェアがv2.00になっていることを確認すれば完了だ。
※更新中はUSBケーブルを抜いたり、PCの電源を切ったりしないこと。
音質|明るく元気のあるクリアなサウンド

Tone2 Proのサウンドは、音の輪郭が明瞭で元気のよさが全面に感じられるクリアな仕上がりになっている。
Kanto「YU4」で試聴

スマホ(Apple Music)→Tone 2 Pro(USB)→Kanto YU4(RCA)の構図でスピーカーサウンドを検証した。
ホワイトノイズもなく透明度の高いサウンドが聴ける。
スマホサウンドをPCスピーカーで出力できるのは便利だ。
旧ファームウエアではTone 2 ProのPre-AMPモードであればTone 2 Proから音量上げ下げなどの操作が行えるが、新ファームウエアではPre-AMPモード自体がモード切り替え項目からなくなるためスピーカー側からの操作一択となる点については注意が必要だ。
MOONDROP「竹III-CHU3」で試聴

アンダー5,000円ながら卓越したバランスを持ったIEMだけど、タイトでインパクトのあるキックと深みのあるサブベースは後味さっぱり。輪郭の細い高音は伸びが心地いい。中音はややドライ気味で、Tone2 Proとの組み合わせでは、楽器の分離感が良好で、ハードロックも聴きやすかった
音の分離も申し分なく、ボーカルも聞き取りやすい元気のいいサウンドだった。
THIEAUDIO「Cypher」で試聴

THIEAUDIO「Cypher」をTOPPINGのDX5 IIと聞き比べた。
Cypherは、全体的にニュートラルで中音域が主役のアナログサウンドな開放型ヘッドホンで、長時間試聴できる柔らかいサウンドが特徴だ。
DX5 IIを聴いた後でTone 2 Proで聴くと音場は少し狭くなり、質感もTone 2 Proではカッチリとした固めのサウンドになる印象。各楽器音のメリハリはDX5 IIより気持ち鮮明になったように感じる。
※音量はできるだけ統一したが、感覚的な部分になっているので確実とは言えない
スマホ接続とPC接続で聴こえ方に違いはある?

今回の試聴では、PC接続のほうが好印象だった。
iPhoneとPCで同じ楽曲を再生して聴き比べたところ、PC接続では音の見通しや高音の伸び、音場の広さに余裕を感じられた。
スマホ接続でも十分に満足できる音質だが、今回の環境ではPC接続のほうがすっきりとした聴こえ方だった。
ただし、再生機器による音量や音声処理の違いが影響している可能性もあるため、PC接続のほうが必ず高音質になるというわけではない。
気になるところ

ディスプレイがない

Tone 2 Proはノブで操作するタイプで、(旧ファームウエアでは特に)設定変更時の状況把握がしづらい点が目立つ。
説明書を確認しなければ操作できない場面が多く、設定を変更するたびに手間がかかる。新ファームウェアでは操作が簡略化されているため、使いやすくなったとはいえ、ディスプレイが搭載されていればまた扱いは変わっていたはず。
ゲイン、フィルター、出力方式などアイコンだけでもいいから目視できたほうが操作感はよくなっていたと思う。
スマホ接続ではバッテリー消費が大きい

Tone2 Proは手のひらサイズだけど、バッテリーを内蔵していないためUSB経由での給電が必要になる。PCとの接続では気にならないものの、スマホ接続ではバッテリーの消費が激しい。
実際に使用した際は、体感で1曲につき約1%減るほどのペースだった。
また、コンパクトとはいえ、スマホと一緒に持ち歩くには少し大きい。持ち運びもできるが、バッテリー消費や取り回しを考えるとデスクやテーブルに置いて使う据え置き用途に向いている。
バランスRCA接続には専用ケーブルが必要

Tone2 ProはRCAライン出力を備えているけど、バランス接続にはKhadas独自のRCAケーブルが必要となる。一般的なRCAケーブルではバランス接続できないため、外部アンプとの接続を考えている場合は注意が必要だ。
なお、通常のシングルエンド接続であれば一般的なRCAケーブルを使用できる。
まとめ|デザインと省スペース性で選ぶ、個性派USB DAC

Khadas Tone2 Proは、限られたデスクスペースでもイヤホンやヘッドホンを高音質で楽しめるUSB DAC。
実際、アルミ筐体の上質な質感にダイヤルひとつで操作するミニマルなデザイン。据え置きDACとは思えないほどコンパクトで、デスクに置いても圧迫感がない。
音質面では元気のあるメリハリの効いたサウンド。スマホサウンドをPCスピーカーで出力できる器用さもあり、暖色傾向のイヤホンやヘッドホンと組み合わせれば、また違った魅力を引き出せそうだ。
一方、ノブのみに依存した操作スタイルがシンプルながら分かりづらい点も好みの分かれどころとなりそう。ディスプレイがあればまた評価は変わっていただろう。
総合して、Tone 2 Proは使い勝手を含めて万人におすすめできる製品ではない。
コンパクトな据え置きDACを探していて、何よりTone2 Proの洗練された独自のデザインに惹かれる人。そんな限られた層にこそ刺さる、ニッチな一台だ。
後付けBluetoothモジュールも存在
Tone2 Proには、別売りのBluetoothモジュール「BT Magic」も用意されている。
BT Magicを使用すると、Khadas Audio Appから各種設定やEQ調整が可能になる。
新ファームウェアでは本体操作が簡略化されるため、細かな設定を利用したい場合に役立つアクセサリーだ。
なお、BT Magicは2026年10月時点で日本未発売。メーカーによると、国内では2026年冬頃の発売を予定している。

