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こんにちは、ネオジャパンデスクセットアッパー翁(@okinalog)です。
この度、遂に我がデスクに据え置きDACが導入されたんすよ。Fosi Audioの「K7」。

個人的に、デスク据え置きDACというとiFiのZEN DACとかFiiOのK7、K11とかをイメージしていて、実際界隈のデスクセットアッパーたちのデスクでもよく見かけると思う。
Fosi AudioというメーカーのDACがどういったものなのかまったく知らないうえで、K7について実機レビューしていくことになる。
結論として、K7は非常に魅力あふれる優れたDACで欠点という欠点のない製品だったので、その理由と他社DACとのカンタンな比較も含めてデスク据え置きDACを探しているユーザーの参考になるといいな。



ネオジャパンデスクセットアッパー
翁(おきな)
オッキーナ
ガジェットが好きな36歳/ ブロガー歴7年/ レビュー数330品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数5,100人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ
この記事は、メーカーからの提供品を基に敬意を持って忖度なし正直に実機レビューしていきます。調べもの以外の記事製作には一切AIは使わず、また、メーカーとの金銭のやりとりや記事内容への指示も一切受けておりません。
Fosi K7について
K7は多機能ゲーミングDACヘッドホンアンプ。
UAC1.0にも対応しているため、PS5やSwitchなどのゲーム機とも接続・切替が可能。
有線のみならずBluetoothデバイスともワイヤレス通信が可能で、AACにも対応しているためiPhoneでも使うことができる。
販売価格は28,999円。カラーはブラックの1色展開だ。
スペック
チップセット:XMOS XU208+AKM4493SEO+QCC3031+TPA6120
最大サンプリングレート:(USB)PCM384kHz-32bit/DSD256(光デジタル)PCM 24bit/192kHz(同軸)PCM 24ビット/192kHz(Bluetooth)PCM 24ビット/48kHz
インピーダンス:16-300Ω
入力:同軸、光、USB-C、3.5mmマイク
出力:RCA、3.5mm シングルエンド、4.4mm バランス
Bluetooth:5.0
対応コーデック:SBC、AAC、APTX、APTX HD、APTX LL
電源:DC 12V 2A
定格出力:(4.4mmバランス)L+R≥2100mW+2100mW(32Ω/THD+N<1%)、(3.5mmシングル)L+ R≥600mW+600mW (32Ω/THD+N<1%)
歪率:(4.4mmバランス)<0.0002%、(3.5mmシングル)0.0005%
パッケージと外観デザイン


こちらがFosi K7本体。
ゲーミングデバイスという属性とは反してRGBライティング機能などはなく、オレンジのディスプレイと2つの大きなダイヤルが非常にアナログ感を放っていて印象的だ。



オールブラックだから分かりづらいと思うけど、ボディはメタルで手に持つと想像以上にずっしりと重厚感があり、四方角は丸みのあるエッジフォルムとなっている。
(個人的にはエッジより角ばっているほうがよりアナログ感が出てよかったと思う)
機能・設定
インターフェースをみてみよう。

本体手前部分には、マイク入力3.5mm、3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス端子。

背面には、RCA出力、Bluetoothアンテナ、同軸入力、光デジタル入力、USB Type-C入力、12V DC電源端子が用意されている。

K7はPCとの接続にドライバーは必要なく接続するだけで使用することができる。
たとえば翁の場合、
【PC】→【USBハブ】→【付属のType-A to Type-Cデータ転送ケーブル】→【Fosi K7】→【有線イヤホン・ヘッドホン】
といったかんじで最後にパソコン側の音声出力設定をK7にして使っている。
実際の使用感レビュー
イヤホンでの音質
Fosi K7の音質は、全体的にエネルギッシュさと明瞭さ、解像度の高さが目立つチューニングが施されている。同価格帯ドングルDACよりも圧倒的に音質がいい。
音の分離具合と定位の正確さがゲーミングデバイスらしくしっかりと作り込まれている印象だ。
今回のレビューはFosi K7のEQモードでベース・トレブルいずれもプラスせずデフォルトの状態で視聴した感想だ。

色付けしていない状態のFosi K7の低音は、終始驚くほどクリアーでキレよくサブウーファーを鳴らしたようなインパクトがある。
Usherの『Yeah』とかテレビでMVみるより圧倒的に躍動感とセクシーさが増す。今聴いてもやっぱりテンションあがる。
中音は少し凹み気味で厚みはない印象。Adelの『Skyfall』が迫力に欠けるちょっと頼りない007ってかんじだ。ボーカルの主張具合もやや高音楽器に埋もれている気もする。もう1歩前に出てきてほしい。
ただ透明感はあって若干ドライな質感で解像度は非常に高い。このあたりがオーディオ向けというよりもゲーミングデバイスらしいチューニングとも言える。

EQのトレブルを2ほどプラスすると結構ボーカルも主張されたので必要なEQをいじるのも有効だろう。
そして高音。Avril Lavigneの『Complicated』が激熱だった。
非常に明瞭なギターにハイハット、スネアの力強い爽快なサウンドが全体的に見通しのいい透明度の高い空気感を再現していて最高。歯ぎしり音とは無縁だ。
一通り聴いてみた感じ、Fosi K7はポップス、ヒップホップ、R&B、ロックこのあたりと相性がよく、女性ボーカルは気持ち主張が弱めなので好みでEQをカスタムするのがよさそうだ。
DC-Eliteとの比較
一応、手持ちのDC-Eliteとも比較してみた。
楽器の分離感についてはDC-Eliteのほうがやや明確でしっかり各楽器の音が分かれて聴こえるけど、低音の迫力や深み、厚みについてはほぼ違いがない。
K7のほうが若干音場が広いかなといったところ。
スピーカーでの音質
スピーカーと接続するためにRCAケーブルを購入したので、スピーカーでの音質もレビューしていく。
購入したのはAmazonベーシックのRCA to RCAケーブル。

K7のOUTPUTをヘッドホンからケーブルモードに変更して、スピーカーの入力をRCAモードに切り替え。
K7のボリュームは「3」にしてスピーカー側のボリュームで調節。K7のボリュームを3以上にあげるとかなりボワ付いた音質になってしまって到底聴けるサウンドではなかった。ケーブルの問題?
これまでデスクトップと光デジタルケーブルで直接繋いでいたけど、K7を経由してのサウンドのほうは低音ベースがかなりずっしりと重たくなって迫力は増した。
中音も厚みがあって音場に奥行が付与されたかんじだ。
ただ、正直クセがけっこう強いから個人的にはこれまでのような光デジタルケーブルでデスクトップ直挿しのほうが音が明瞭でクセもなく聴けたから戻すかも。
操作性

K7の操作は直感的で扱いやすい。コレはじめての据え置きDACユーザーとしては非常にうれしかったところ。
各ボタンの役割が明確でわかりやすい。

- 電源ボタン:(短押し)電源オン・UAC1.0/2.0モード切替、(1.5秒長押し)電源オフ
- INPUTボタン:入力モード切替(Bluetooth、OPT、COAX、USB)
- OUTPUTボタン:出力モード切替(ヘッドホン/RCAライン)
- BYPASSボタン:EQ処理/バイパス切替
- TONE/MICボタン:低音・高音・マイク音量切替(右ダイヤルで増減)
- 左ダイヤル:(回転)音量の増減、(プッシュ)ゲイン切替
- 右ダイヤル:(回転)低音・高音・マイク音量のコントロール、(プッシュ)マイクミュート
ボタンのプッシュ感が若干チープな感じもしないことはないけど、ダイヤルもヌルヌルと無段階で動くし操作感に不満は感じられない。
難しい表現もないし、初回説明書さえみれば据え置きDAC初心者からしてもおぼえるのは簡単だ。
入出力
K7がバランス接続時2.1Wの出力に対応している点も魅力として大きい。
メジャーな据え置きDACの場合、32Ωバランス接続時は1500mW前後のものが多い印象なのに対してK7は2100mW(2.1W)もの高出力を備え持つ。
これはインピーダンス300Ωクラスのハイエンドヘッドホンで安定したサウンドパフォーマンスが期待できる。
あと1点、K7はマイク入力にも対応しているんだけど、その際にはUAC 1.0に切り替える必要がある点には注意が必要。
とはいっても、切替自体は電源ボタンを1プッシュするだけなので簡単だ。
類似商品との比較
Fosi Audio K7 | iFi ZEN CAN Sigunature | FiiO K7 | TOPPING A90D | |
---|---|---|---|---|
出力(@32Ω BAL) | 2.1W | 約1.6W | 約1.1W | 4.0W |
対応入力端子 | USB、光、同軸、マイク | RCA、3.5mm、4.4mm | USB、光、同軸、RCA | RCA、XLR |
実売価格(Amazon) | 28,999円 | 42,000円 | 34,864円 | 77,700円 |
特徴 | 高出力・マイク入力対応 | アナログ志向プリアンプ | デスク据置定番DAC | 高出力ハイエンドヘッドホン向けDAC |
この4モデルで比較するだけでもFosi K7が価格に対してハイスペックなのがよくわかる。
特にメーカーにこだわらないのであればK7ははじめての据え置きDACとして魅力的なポジションを獲得していると言える。
まとめ

正直、ごく最近まで据え置きDACを買うならFiioかiFiにしておけば間違いないと思っていた。
でも、FosiのK7を使いはじめて以来、その考えはすっかり吹き飛んでしまった。
入力面は、USB、同軸、光、Bluetooth、さらにマイクまでカバーしていて驚かされる。
中でもマイク入力は、一般的な据え置きDACにはまず搭載されていないK7ならではの強み。ゲーミング用途を視野に入れた仕様で、ストリーマーやライバーとの相性は抜群だ。
出力面も抜かりない。RCA、3.5mm、4.4mmに対応しているのは当然として、バランス出力時の「2.1W @ 32Ω」というスペックは、この価格帯では唯一無二。
つまり、「K7が一台あれば、入出力で困ることはまずない」というのがK7最大のメリットだろう。
もちろん、もっと高価格なDACはそれ相応に音も良いと思う。
でも、これまで数々のドングルDACや有線イヤホンに触れてきた翁の耳でも、K7の音は「じゅうぶんいい」と感じた。
そしてなにより、このちょっとレトロでアナログ感のあるデザインが翁のデスクによく似合う。

