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2020年12月の「BCNランキング」における全国の主要家電量販店・ネットショップを対象とした市場調査によると、ヘッドホンとイヤホンの市場において完全ワイヤレスイヤホンの販売台数構成比は過去最高の25.8%になっているらしい。
これは、ヘッドホン・イヤホンを買う人のうち4人に1人は完全ワイヤレスを選んで購入しているということになる。
きっかけは、ズバリApple「AirPods第2世代」と「AirPods Pro」と言えるだろう。
Appleの完全ワイヤレスイヤホン投下によって、一気に一般市場に完全ワイヤレスイヤホンの利便性とスマートさが浸透したと言える。(そう考えると、Appleの影響力って凄い…。)
では、そこまで浸透してきている完全ワイヤレスイヤホンには具体的にどういったメリットがあるのだろうか。
また、反対にデメリットと言える部分はあるのだろうか。
普及が進む完全ワイヤレスイヤホンについて、30機種以上をレビューしてきた僕は改めて完全ワイヤレスイヤホンのメリット・デメリットについて自分なりに考えてみることにした。
あまりにもデメリットが多いようであれば、有線イヤホンへの逆走も視野に入れていたからだ。
結論:僕はワイヤレスがいい。
まずはじめに結果、以下のようになった。
- 充電の必要がある
- 左右の片方あるいは両方のイヤホンを失くす危険性がある
- 音ズレ・遅延がどうしても起きやすい
- 有線イヤホンに比べて音質が劣る
- 比較的短いスパンで次々に低価格で高品質なコスパモデルが登場する
- 接続ケーブルに対する問題が一切ない
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 周囲のノイズを消してくれるアクティブノイズキャンセリング機能を使える(機種による)
- 装着したままで通話もシームレスに行える(機種による)
- 続々と優れた機能を搭載した新機種が登場してワクワクする
こう見ると、デメリットはあるが有線への逆走は視野に入れる必要がなさそうにも感じる。
その理由を、詳しく解説していくと同時に再確認していくことにする。
そもそも、「完全ワイヤレスイヤホン」とは
そもそも、完全ワイヤレスイヤホンとはオーディオプレイヤー機器とBluetooth無線通信で音楽を再生することができるイヤホンのことを指す。
これまでAUXケーブルでイヤホンジャックに接続して利用していたいわゆる有線イヤホンには、ケーブル(ワイヤー)が物理的に邪魔だというジレンマが生じていた。(現在進行形)
ただ、完全ワイヤレスイヤホンはデバイスとBluetooth無線接続(ワイヤーレス)で使用することができるので、有線イヤホンのケーブルの長さ問題や接続しているデバイスを持ち歩かないといけないというジレンマを事実上克服している。
また、有線で接続しなくて済むようになった完全ワイヤレスイヤホンは、電力を個体独自で供給しなくては使うことができない。そのため、本体と充電ケースそれぞれにバッテリーが内蔵される。
上記を踏まえて、完全ワイヤレスイヤホンのメリットデメリットについて掘り下げていく。
完全ワイヤレスイヤホンのメリット
僕の思う完全ワイヤレスイヤホンのメリットは以下だ。
- 接続ケーブルに対する問題(断線・絡む・タッチノイズ)が一切ない
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 周囲のノイズを消してくれるアクティブノイズキャンセリング機能を使える(機種による)
- 装着したままで通話もシームレスに行える(機種による)
- 続々と優れた機能を搭載した新機種が登場してワクワクする
接続ケーブルに対する問題(断線・絡む・タッチノイズ)が一切ない
言わずもがな完全ワイヤレスイヤホンは”完全にワイヤレス”なイヤホンなので、有線イヤホンを使用していて最も問題となるケーブル関連のストレスから解放される。
- ひっかける
- 断線する
- ぐしゃぐしゃに絡む
- 衣類などがケーブルが触れて「ガシャガシャ」と音がする
こういったことが一切なし。
家事をしながらでも音楽を聴けるし、スポーツをしながらでもケーブルを気にせず音楽に没入することができる。
上記の問題にストレスを感じていた人はたいてい完全にワイヤレスに移行するともう戻れない。
僕なんかは音質以上にこのストレスに悩んでいた人間なので、完全にワイヤレスなほうがフリーダムでいい。
コンパクトで持ち運びしやすい
完全ワイヤレスイヤホンは左右独立型のイヤホンなので、使わない時は専用のケースに収納する。
ケーブルを巻き巻きする時間はもう必要ない。
ケースはメーカーごとに大小さまざまではあるものの、たいていが4cm×4cm×2cmほどで重さも卵くらいのものばかりなので小さくて軽い。
ポケットに入れていてもかさばらない機種も多く存在するので、持ち運びの際にはコンパクトで便利だ。
周囲のノイズを消してくれる“アクティブノイズキャンセリング機能”を使える(機種による)
AirPods Proを皮切りに最近の完全ワイヤレスイヤホンには、周囲の音を低減してくれる”アクティブノイズキャンセリング機能”が搭載されている機種がある。
この機能を使うことで、外からの気になる雑音が消え去り音楽への没入感がグッと増す。
機種によっては低減するレベルをコントロールできるものもあるので、音楽を聴きながら勉強や作業に集中したいという時に欠かせない機能。
これを使えるイヤホンは完全ワイヤレスイヤホンだけだ。
以下の記事では、そのなかでも手に取りやすい1万円以下のアクティブノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンを8つ紹介しているので、参考にしてみてほしい。
装着したままで通話もシームレスに行える(機種による)
完全ワイヤレスイヤホンはハンズフリー通話をすることができる。
パッケージに「HSP」「HFP」というプロファイルが記載されている機種がそうだ。
これにより、イヤホンを装着したままで通話ができる。
最近は、片側ごとに3マイク搭載した機種が存在してきており、周囲のノイズを低減してくれる機能(cVcノイズキャンセリングなどがそう)通話の品質もかなり向上しているのでテレワークでも活用できる。
続々と優れた機能を搭載した新機種が登場してワクワクする
完全ワイヤレスイヤホンは、年々品質が向上し新しい機能が追加されてきている。
それは、ひとえに完全ワイヤレスイヤホンというジャンルがまだ伸び代を孕んでいるからとも言えるが、そんなことはどうでもよく続々と新機種が登場するとワクワクする。
アッと驚く機能を搭載した機種が発表されようものならワクワクは最高潮だ。既にいくつもの完全ワイヤレスを持っているのに新発売の記事を見ると欲しくなる。
この気持ちに共感できるという人は、もう完全ワイヤレスイヤホン云々関係なくガジェット全般が大好きになる可能性を秘めた人だと僕は思う。(話が逸れた)
完全ワイヤレスイヤホンのデメリット
一方で、完全ワイヤレスイヤホンはまだ完璧ではない。
僕が30種類以上の機種をレビューしてきて思う完全ワイヤレスイヤホンのデメリットは以下だ。
- 充電の必要がある
- 左右の片方あるいは両方のイヤホンを失くす危険性がある
- 「音ズレ・音切れ」がどうしても起きやすい
- 有線イヤホンに比べて音質が劣る
- 比較的短いスパンで次々に低価格で高品質なコスパモデルが登場する
詳しく解説していく。
充電の必要がある
冒頭でも述べたように完全ワイヤレスイヤホンは、ワイヤレスであるがゆえにバッテリーが内蔵してある必要がある。
バッテリーが内蔵されているということは、充電が必要になる。
つまり、完全ワイヤレスイヤホンはバッテリー内蔵型だから充電をしないと使えなくなる。
最近の機種は比較的ロングバッテリーとなってきており、最大40時間程度使えるものが多いが充電の必要が全くない有線イヤホンと比べるとやはり手間がひとつ多い。
対策としては、少しでも充電のはやい急速充電に対応している機種や手軽で便利なQiワイヤレス充電に対応した機種を選んでおくと◎。
AnkerのSoundcore Liberty Air 2 Proなんかはその条件を満たしていて、なおかつアクティブノイズキャンセリングも使える機種なのでおすすめだ。
左右の片方あるいは両方のイヤホンを失くす危険性がある
完全ワイヤレスイヤホンは左右が独立しているのがメリットなわけだけど、独立しているからこそデメリットともなる。有線イヤホンのようにワイヤーで繋がれていないので、落としたり最悪失くしてしまう危険性がある。
片方のイヤホンをポケットに入れてそのままポケットからスルッと落ちて…。考えるだけで冷や汗ものだ。
対策は正直なくさないように意識しておくしかない。
強いてあげると、専用アプリで最後にペアリングされた場所などをマップで表示できる機種などもあるので、なくすのが不安なおっちょこちょいな人はそういった機能を備えたイヤホンを選ぶといい。
AppleのAirPods Proなんかは落下防止用にサードパーティ製の別売りケーブルなどが発売されているが、正直そこまでするなら有線イヤホンでいい。
「音ズレ・音切れ」がどうしても起きやすい
完全ワイヤレスイヤホンは、Bluetoothのコーデックを用いた無線接続を行うためどうしても「音ズレ・音切れ」などの通信障害が起きるときがある。
コーデックは、デバイス側で音声データを圧縮してイヤホン側で再生するという仕組みなのだけど、製品によってはこのやりとりにコンマ何秒かのタイムラグが生じる。それにより、例えばYoutube動画の映像と音声にズレ・遅延が発生してしまう。
SBC | AAC | aptX | |
---|---|---|---|
特徴 | 完全ワイヤレスイヤホンには欠かせない最も標準なコーデック すべての完全ワイヤレスイヤホンで対応している | SBCよりも低遅延高速通信が可能 iPhoneなどiOSで対応しているコーデック Android8.0以降にも対応 最近の完全ワイヤレスイヤホンにはほとんど対応している | AACコーデックよりもさらに低遅延で大容量の音声データを送受信できる Android端末で対応しているコーデック |
遅延数値 | 170~270ms | 90~150ms | 60~80ms |
2020年後半~2021年発売の製品ではこういった症状はかなり軽減されているが、それでも無線通信を行う製品である以上起きうる。完全ワイヤレスイヤホンのジレンマだ。
現時点でとれる対策としては、Bluetoothのバージョンが5.0以上、iPhoneならAACコーデック、AndroidならaptXコーデックに対応している機種を買うと安心感は高い。
有線イヤホンに比べて音質が劣る
完全ワイヤレスイヤホンはどうしても有線イヤホンほどの音質を出せないでいる。
先ほどのコーデックが関係してくるが、無線通信を行うとどうしても音声データを圧縮しないと送信できない。そして圧縮した際に元のデータから微量の音声データを切り捨てる必要がある。
そのため、有線イヤホンよりも音声データが少なくなってしまい、これが音質の劣化につながる。
20,000円以上するハイエンドクラスの完全ワイヤレスイヤホンだと音質はかなり良くなるけど、低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンだとあまり期待はできないかもしれない。
例えば、ゼンハイザーのCX400BTは30,000円以上するハイエンドクラスのドライバーを引き継いだ音質特化の機種で現在キャンペーン価格13,500円で購入できるので、高音質の完全ワイヤレスイヤホンを手軽に手に入れたい人にはおすすめだ。
比較的短いスパンで次々に低価格で高品質なコスパモデルが登場する
メリットでもあげたが、完全ワイヤレスイヤホンは続々と新機種が登場する。体感だと1カ月に2機種は登場する。スパンが短い。
これは、メリットでもあるけれど当然デメリットでもある。
例えば、2019年前半に発売された7,000円程度の製品のスペックは現在3,000円程度で買えてしまう。ブログ開設当初にレビューした「Zolo Liberty」なんかは、今ではもう古いイヤホンだ。
せっかくいい感じのTWSを買ったのにその直後にニューカマーが登場してちょっとガッカリする。なんてことが日常茶飯事だ。ワクワクはするが散財でしかない。
ポジティブに考えるならまだ伸び代があると言えるが、そこがどうしても嫌だという人は20,000円以上するハイエンドクラスの製品を選ぶと浮気心も起きないので買い替えることなく永く使うことができる。
例えば、僕も愛用しているJBLのCLUB PRO+ TWSなんかは現在もちらほら売り切れしているくらいに最高品質の完全ワイヤレスなので2,3年は使えるだろう。
初心者におすすめの完全ワイヤレスイヤホンまとめ記事
まとめ
この記事では、完全ワイヤレスイヤホンのメリットとデメリット両側面について僕の思うところを解説してきた。
- 充電の必要がある
- 左右の片方あるいは両方のイヤホンを失くす危険性がある
- 音ズレ・遅延がどうしても起きやすい
- 有線イヤホンに比べて音質が劣る
- 比較的短いスパンで次々に低価格で高品質なコスパモデルが登場する
- 接続ケーブルに対する問題(断線・絡む・タッチノイズ)が一切ない
- コンパクトで持ち運びしやすい
- 周囲のノイズを消してくれるアクティブノイズキャンセリング機能を使える(機種による)
- 装着したままで通話もシームレスに行える(機種による)
- 続々と優れた機能を搭載した新機種が登場してワクワクする
上記を踏まえて完全ワイヤレスイヤホンがおすすめなのは以下の項目にひとつでも当てはまる人だ。
- 有線イヤホンのケーブルが邪魔だと思ったことがある人
- 持ち運びやすさを追求したい人
- 家事やスポーツに集中したい人
- 通話もしたい人
少しでも完全ワイヤレスイヤホンについて興味がわいたという人は、以下にある当ブログBOWSのレビュー記事を除いてみてほしい。必ず気に入る機種があるはずだ。
僕自身、今回この記事をかくにあたって改めて完全ワイヤレスイヤホンについて考えたが、やっぱり完全ワイヤレスイヤホンは便利だ。
ワイヤレスなものというのは、やはりスマートで利便性に長けている。完全ワイヤレスイヤホンも例外ではなく、接続の安定性さえ抑えて機種を選びきちんと充電していれば使い勝手がいい。
もう有線イヤホンには戻れない…そう実感した。
ただ、何度も言うが完全ワイヤレスイヤホンは未だ成長途中のガジェットだ。当然、2021年も激しい新作発売合戦が予想される。
既にAppleはこの春新たなAirPods Proを発表するという情報があがっているし、Sonyの新機種デザインもリークが流れてきている。
デメリットの部分を克服したニュータイプが登場するのが、個人的には一番ワクワクするポイントでもあったりする。