TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM

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Easy EarphoneよりTRIの新型モデルを提供してもらった。「I3 MK3」だ。

TRIと言えば僕は以前同社「Star River」をレビューしたのがさいしょで、ベリリウム振動板とチューニングスイッチを搭載した面白みと実力のあるイヤホンだった記憶がある。

調べたところI3 MK3は旧モデルI3 Proの正当な後継機らしく、I3シリーズ自体はかなり評判がよかったらしい。

しかも内容としては平面駆動ドライバーバランスドアーマーチュアドライバー、さらにはベリリウム振動板ダイナミックドライバーの3つを組み合わせた贅沢ハイブリッド構成

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM

過去のI3シリーズがどうかは知らないけど、I3 MK3の音はやばい。

やばすぎて涙した。

そんなレベル。

さあ、はじめようか。

TRI I3 MK3の特徴
  • 高周波用平面駆動ドライバーを搭載
  • 中音域用SONION製2356BA搭載
  • 低域用10mmベリリウム振動板DD搭載
  • 独自アコースティックチャンバー×Knowles製アコースティックダンパーを採用
  • CNCアルミニウム合金製筐体
  • 612芯5N単結晶銅銀メッキ同軸ケーブルが付属(4.4mmプラグのみ)
  • ケース・低反発イヤーピース付属
この記事の著者

ネオジャパンデスクセットアッパー

翁(おきな)

オッキーナ

プロフィール

ガジェットが好きな36歳/ ブロガー歴7年/ レビュー数330品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数5,100人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ

この記事は、メーカーからの提供品を基に実機レビューしていきます。

TRI「I3 MK3」の概要

I3 MK3はKBERAの姉妹ブランドにしてハイエンドモデルを輩出するTRIのフラッグシップモデル。

クリアー・高解像・歪みの少なさを強みとする平面駆動ドライバーをあえて高音域用に設定し、一点突破のバランスドアーマーチュアドライバー(SONION製2356)を中音域とボーカルに、応答性の高さとキレのよさを強みとするベリリウム振動板を贅沢にも低音域用にあてがったモリモリハイブリッド構成だ。

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM
超豪華な付属品

また、それらを最大限に発揮するよう特別製アコースティックダンパーを用いることでクリーンなサウンドになるよう調整役としている。

まあ要するに価格に見合った、いやちょっと前では考えられないほど贅沢にこだわりのある構成となっているということだ。

ちょっと小さくないかいケース…
TRI I3 MK3のスペック

周波数応答範囲:20Hz-20KHz

インピーダンス:21Ω

感度:104dB

ケーブル:同軸単結晶銅銀メッキ0.78mm2pin 4.4mmバランスプラグ

TRI「I3 MK3」を実際につかってみての感想レビュー

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM
視聴環境

プレーヤー:Pixel8Pro(DAC経由)

DAC:iBasso DC04Pro

イヤーピース:SpinFit OMNIAZLA SednaEarfitMAX

ストリーミング:Amazon Music Unlimited (URTLA HD)

思わず涙する瑞々しく高解像奥ゆかしいサウンド

音場
狭い
広い
質感
寒色
暖色
滑らかさ
シャープ
マイルド
傾向
フラット
V字
反応
遅い
速い

I3 MK3は一聴して繊細で高解像。よっぽどハイクオリティなサウンドに触れた人でなければおおよそ満場一致で満足するであろう音質だ。

久しぶりに涙するほどの高音質を体感することができた。

近いとすれば、先日その音質に感動したKiwi Earsの「Melody」をより高解像に、より豊かに、そしてより華やかにしたような質感だ。

特にシンセサイザーやデジタルサウンドにつよく、ザ・チェーンスモーカーズの『Closer(Tokyo Remix)』やZeddの『Beatiful Now(feat.jonh Belion)』、カルヴィン・ハリス&リアーナの『This is what you came for』は透明感と明瞭さの表現がピカイチ。

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM

低音チェック用にMOONの『Hydrogen』やManeskinの『Beggin’』を聴いてもしっかりベースラインは明確。それでいてほかの音域にまで邪魔をしない絶妙な主張具合。力強さと繊細さはベリリウム振動板が大きく貢献しているのがわかる。

I3 MK3は中音にかなり厚みがあり、豊かで鮮やか。

ボーカルの距離感がゼロ距離で、ONE OK ROCKの『Wherever you are』とか、Mrs.GREEN APPLEの『Dear』、シェネルの『Happiness』、JAY’EDの『最後の優しさ』などのボーカルの歌唱力が味わえるバラードなんかは最高の二文字。

一切の濁りがなくクリアーでダイレクト。この質感は繊細なBAならでは。

目の前で独占LIVEをしてくれているかのような距離感で堪能することができる。

高音も申し分ない。一見主張が弱めに感じるけどその実見通しがよく煌びやかさがあるので、楽曲にしっかり華やかさと彩りを付与しているのがスゴイ。決して鼻につく質感ではなく抑えるところを抑えるといった具合。

しっとりしながらもしっかり出力。このあたりが高周波に割り当てられた平面駆動ドライバーが功を奏していることを表している。

また、音場が非常に広いことも伝えておく。同価格帯のイヤホンをあまり体験したことがないんだけど、I3 MK3の音場はエントリークラスのソレとは次元が違う。

ゆずの「栄光の架橋 YUZU SPECIAL LIVE 2023 BLUE」なんか、会場にいるかのように錯覚するほど広大なサウンドステージを体感することができた。

平面駆動ドライバー自体音場が広くなる傾向にあるので、その影響が大きそう。

定位感や分離感も過去最高クラスだ。多ドライバーでありながら一貫性があり違和感のない楽器の分離具合としっかりとしたレイヤー感で楽曲の奥行と広さを表現している。

装着感と快適性

I3 MK3の装着感は人間工学に基づいた設計でフィット感はしっかりしている。

デザイン的にもBQEYZの「Winter」が似ているけど、I3 MK3も同じような装着感だ。

遮音性も高くてパッシブノイズキャンセリング具合もたかいから、周囲の外音もある程度はシャットアウトしてくれる。

TRI「I3 MK3」とほかのイヤホンとの比較

TINHIFI T5Sとの比較

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM

いい勝負。低音の深みと力強さはT5Sに軍配があがるけど、ぜんたいの統一感ではI3 MK3のほうが上で、I3 MK3のほうが分離感と定位感が高い印象だ。

迫力を重視するならT5S、長時間聴きたいならI3 MK3というかんじか。

T5SはV字寄りだけどI3 MK3はフラットなので、どちらを取るか次第かなぁ。

TINHIFI T5Sレビュー。一聴から満点!鈍器で殴られるような低音と卓越した分離感をもつIEM

AFUL Explorerとの比較

これが意外にも一見いい勝負。Explorerは中~高音が見通しよく聴きやすいのが特長なんだけど、この聴きやすさはなかなかやっぱり強い。

もちろんI3 MK3のほうが情報量は多いし、分離も優れているんだけどExplorer独自搭載の3D空気圧バランスシステムってのがすんごい抜けがよくて聴きやすいのよ。

低音の具合も意外と似ているので、コスパを求めるならAFUL Explorerを選択肢に入れてもいいかも。

AFUL「Explorer」レビュー。1DD+2BA構成3D空気圧バランス技術搭載全力でひとにおすすめしたいイヤホン

TRI「I3 MK3」レビューまとめ

TRI I3 MK3
低音
 (4)
中音
 (5)
高音
 (5)
臨場感
 (4.5)
解像度
 (5)
デザイン性
 (5)
総合評価
 (5)

メリットデメリット

メリット
デメリット
  • ベリリウム振動板を活かした力強くキレのいい低音
  • 厚みがあるけどもっさりしてない中音
  • 主張こそ控えめなのに華やかさのある高音
  • 取り回しやすく高級感のあるケーブル
  • シンプルで無駄のないフォルムのビルドデザイン
  • カラーがパープル一択
  • 低音は強烈とまではいかないので低音追求派には物足りないかも

こんな人におすすめ

TRI「I3 MK3」レビュー。平面駆動×BA×ベリリウム振動板による最強バランス型IEM
  • 1万円台のイヤホンからレベルアップしたい人
  • どの音域とかじゃなく全音域バランスよく高解像なサウンドが味わいたい人
  • 平面駆動ドライバーとBAとベリリウム振動板の組み合わせを体感したい人
  • 耳元に色気がほしい人

いちばん言いたいのは、1万円台のエントリークラスイヤホンからのアップグレードは必至。MK3はまず満足のいく買い物になるだろう。

特にKiwi Ears「Melody」やARTTI「T10」からのグレードアップであれば、おなじ平面駆動ということもあって質感が似ていてより高解像になっているのですんなりと馴染むだろう。

個人的に言えば2024年最高の1本に値する。

巷では値上がりするだのしないだのとウワサされているので、気になるひとは早めにゲットしておこう。(この記事執筆時点ではAmazon商品ページにて4,000円オフクーポンが用意されている)

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