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この記事では、Easy earphonesより提供していただいたKB EARのIEM「青龍(Qinglong)」について、どんな製品なのか音質やデザインなど翁が実機レビューしていく。
当ブログの運営者、ガジェット大好き翁(おきな)@okinalogです。よろしくね。
クローム処理がされた鏡のようなシェルが特徴の10mmのPU+PEEK複合振動板を搭載したインイヤーモニター。
KBEAR「青龍(Qinglong)」
このIEMはね、ちょっといままでレビューしたイヤホンとは違った味わいの音質を放つタイプだったね。
クセがつよい。
でも、聞けば聞くほど惹かれていく。そんな、不思議な魅力をもったインイヤーモニターとなっている。
ということで、その理由を実機レビューしていく。
さあ、はじめようか。
ネオジャパンデスクセットアッパー
翁(おきな)
オッキーナ
ガジェットが好きな36歳/ ブロガー歴7年/ レビュー数330品以上(うちイヤホン180種類以上)/ Xフォロワー数5,100人突破/ YouTubeチャンネル開設(奮闘中…)/ 【ネオジャパンデスクセットアッパー】と称して日本みのある独自のデスク環境を構築中/ 普段はサラリーマン/ 4児の父/ “みんなといっしょ”が苦手なタイプ
※有線イヤホンを使ってみたいなと興味があるひとは、まずは「有線イヤホン素人の僕が15本以上触れてみて分かった【初めての1本】におすすめな5選」を参考にしてみてください。
今回レビューするのは、AmazonにてIEMを中心にリケーブルやイヤーピースを販売する中華オーディオ専門店YinyooのひとつKBEAR(ケービーイヤー)というブランドの「青龍(Qinglong/チンロン)」
KB EARというブランド自体は、中国のECサイト「AliExpress」やAmazonで下は2,000円~上は15,000円ほどの低価格帯IEMを多く販売しているようで、なかでも今回の青龍は今売り出し中の新商品らしい。
販売価格は、10,490円
そんなKBEARの「青龍」は、10mmのPU+PEEK二重複合振動板を採用したシングルダイナミックドライバーを搭載。0.78mm2pinリケーブル仕様で交換が可能だ。
PU+PEEK振動板というと、以前Tribitの完全ワイヤレスイヤホン「FlyBuds C1」が採用していたものとおなじだ。
あれは、かなり音がよかった記憶があるので青龍も同様な高音質が期待できる。
また、シェルは航空グレードのアルミニウム合金を採用。
筐体は鏡面クロムメッキ仕上げで上質感を演出している。
“青龍”なんて、空想上の生物の名前を付けるなんてけっこう自信満々なんだろうなと思っていたけど、海外の口コミに“サウンドシグネチャ周波数曲線グラフのかたちにちなんでる”っていうのを見て納得した。
ドライバー | 10mmハイレゾ二重複合振動板 |
インピーダンス | 32Ω |
感度 | 108dB@1KHz |
再生周波数帯域 | 20-40KHz |
筐体素材 | アルミニウム合金 |
ケーブル | 4芯無酸素銅銀メッキ線 |
コネクター | リケーブル可能0.78mm 2Pin金メッキ |
プラグ | 3.5金メッキストレート型 |
マイク | × |
パッケージ
付属品は、青龍本体にケーブル、イヤーピースが2種類とメンテナンス用ブラシとクロス(わかってるね)
そして、合皮素材のハードケース。
合皮素材のハードケースは、マグネットでしっかり閉まるタイプ。
毛羽のある内張りが貼られていて青龍をしまっておいても傷がつかないよう配慮されている。
イヤーピースは、平らなタイプとよくみる楕円形の2種類が付属している。
ケーブル
KBEAR 青龍は0.78mm2pinの4芯無酸素銅の銀メッキ線ケーブルを採用している。
僕としてはRAPTGO HBB HOOK-XやTRIPOWIN Rhombus以来おなじみとなったもしものときに交換可能なリケーブル仕様だ。
手触りというか、質感が若干安っぽい印象。
プラグは3.5mmのストレートタイプのイヤホンジャックを採用。
外観
こちらがKBEAR 青龍(Qinglong)のシェル。
鏡ばりにキレイに磨かれていて、モダンで美しい。その反面、指紋が目立つやろうな。
筐体は、5軸のCNCプロセスで加工された航空機グレードのアルミ合金素材。7系統と公言されているのでおそらく超高強度の素材だろう。
まあ、理屈はともかく鏡のようにピカピカのシンプルなデザインだ。嫌いじゃあない。
シェルの厚みは11mmとやや厚めで、ステムは5.5mm径と標準的な大きさ。
プレーヤー:Pixel7
DAC:iBasso DC03Pro
イヤーピース:純正
ストリーミング:Amazon Music Unlimited
まず、青龍はインピーダンス32Ωなので本気を出させるにはDACは経由してほしい。
DACを噛ませると一気に深みのあるバケモノに変化するから。
KBEAR 青龍(Qinglong)の音質は、全体的に滑らかでまろやかな温かみが目立つ傾向にあった。
この印象は原音に忠実だと定評のゼンハイザー「IE100 Pro」と比較してのものだ。
そして、以前レビューしたTRIPOWIN「Rhombus」とも真逆のサウンドとなっている。
ここで不思議なのは、青龍の音質は一見スモークのかかったサウンドにしか聞こえないのに、心地がいいってこと。
この音質については、Amazonのレビューにもしっかり「なんでこんなこもった音質なんだ」的なかんじで批判されている。
僕はその不思議についてここ2カ月くらいずーっとほか10本近いイヤホンと比べていた。
そしてわかったのは、青龍は音場が広く奥行があることで分離感がまるで遠近法かのようにレイヤー感をだしているんだと思う。
ボーカルは近いのに、ベースは遠く、でもエレキは右手前で、トランペットは右奥で、みたいなまるでライブを目の前できいているかのような妙なリアル感なんだ。
イヤホンって、解像度がたかく音像がはっきりしているほどよく聴こえるものだけど、青龍はそんな第一印象にとらわれずあえて逆行して刺しにいってるかんじだ。
どれだけ聴いていても疲れを感じない。そんなごとある。
これは確かに1万円の魅力がある。と思った。
ちなみに今回僕が使用したDACは以下。
低音
KBEAR 青龍(Qinglong)の最大の魅力は低音。
重ための図太いパンチの利いた低音を味わうことができる。
あたたかみもあって馴染みやすいから曲全体を支える広い天板的な存在だ。
とくにベースギターを強調している。
中音
KBEAR 青龍(Qinglong)の中音は、いちばん手前で柔らかくやさしくクリアに聴こえる。
ボーカルの声はこの音域に位置するけど、しっかり前に出て主張できている。
Ava Maxの『Weapons』は、シャープさと分離感と中音域の透明感をもっとも味わえた楽曲だった。
僕Ava Maxの声と曲のパワフルさ好き。
高音
シェルのビジュアル的に煌びやかな高音を想像しがちだけど、意外にも高音はウォーマーな音質だった。
やさしく角はまるくて聴き疲れないニュートラルな音だ。伸びがあって、ほどよい余韻がけっこう個人的に好きだ。
控えめだけど刺さるような高音ではないから全体をとおしてノンストレスで音を楽しめるIEMだ。
リケーブル交換で音質が大幅に変化
ちなみに、青龍(Qinglong)の全体の解像度とパワー具合はリケーブルの交換で意外にも味が変化したからここに記載しておく。
レビュー中、興味本位でリケーブルをHZsoundのHeat mirror proのものに交換してみたところ、高音に煌びやかさがでて低音と中音の解像度がよりこまかくシャープになった。
言うならHeat mirror proの低音がより強力になった版みたいにね。
なんならデフォルトのリケーブルよりいい音を出すといってもいい。
この僕の感想が正しいものなのか、だれか教えてほしい。
KBEAR 青龍(Qinglong)は正直、素人向けではないIEM。
人気のHZsoundのHeart mirror proはほぼ同価格帯だけど、素人目でみると圧倒的にあっちのほうが出来がいいように聴こえる。
が、耳の肥えたひとならきっと青龍の魅力をわかってくれると思う。
このイヤホンは、リアルで奥行に優れたテクニカルなインイヤーモニターだ。
あと、過去レビューしたIEMでTRIPOWINの「Rhombus」やTINHIFIの「T4 Plus」とは相対的な存在。
だからRhombusを視聴してあのくっきりしたキレのいいサウンドが苦手だったひとには推したい。
ということで、今回はKBEARのインイヤーモニター「青龍(Qinglong)」についてレビューしてきた。
PU+PEEK複合振動板を採用した1DDで、鏡のようなモダンデザインのイヤモニ。
図太い低音と独特の温かみのあるサウンドを特徴としたこのイヤホンは、DACを嚙ませたりリケーブルすることで音質がコロコロ変化することを考えると、長期的に使用していくと良さが実感できるモデルだ。
有権者、ぜひ意見を聞かせてほしい。
- モダンで上質な鏡面クロムメッキ仕上げの筐体がキレイ
- 図太くパンチのある低音が味わえる
- 一見曇っているけど、奥行感がありリアルな心地いいサウンドを味わえる
- 真価を味わうにはDACによるパワー供給が必要
- 高音は控えめに欠ける